矯正は必ず抜歯する治療ではありません
「矯正治療=歯を抜く」。そう思われている方は少なくありません。確かに、日本人は歯の厚みや頭、顎の形などの特徴から、欧米人に比べて矯正治療で抜歯が必要になるケースが多い傾向にあります。しかし患者さんの心情はもちろん、お口、そして全身の健康のためにも、歯はできれば抜きたくないものです。
名古屋市、金山駅・鶴舞駅近くの歯医者「はやし歯科・矯正歯科」では、できるだけ健康な歯を抜かない非抜歯矯正に力を入れています。歯を抜かずに矯正治療をしたいとお考えなら、一度当院までご相談ください。
矯正治療において抜歯が必要になった理由
矯正治療で抜歯が必要になる理由の多くは、顎が小さく歯が並ぶためのスペースがないからです。これは戦後、全国的に欧米食が広く普及したことが大きいといわれています。お肉などやわらかい食べ物が中心の食生活の変化し咀嚼回数が減ったことで子どもの顎の発育に影響が出てしまい、キレイに歯が並ばなくなってしまったのです。
写真のように歯がきちんと並ばず、重なり合うように生えている歯並びを「叢生(そうせい)」といいます。このような歯並びの場合、歯を抜いてスペースをつくて改善を図ることがほとんどです。
絶対に抜かないと矯正治療できないの?
では、矯正治療は「絶対に歯を抜かなければできない」ものなのでしょうか? いいえ、そうではありません。現在の歯並びや顎の発育状態を正しく把握し、適切な治療を施せば、歯を抜かずに矯正できるケースもあるのです。その方法には、主に次の3つがあります。
奥歯の移動 |
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奥歯をさらに奥方向に移動させてスペースを確保する方法です。 |
歯列の拡大 |
顎の大きさ自体を広げ、歯列も外側へ向けて拡大させる方法です。 |
歯を削る |
歯と歯の間のエナメル質をわずかに削り、すき間をつくってスペースを確保する方法です。 |
これらの方法には、歯並びの状態によって適応できるものとそうでないものがあります。当院ではこの中で、とくに顎の大きさを広げて歯列を拡大させる方法に力を入れています。
歯を「抜く」「抜かない」の基準について
当院ではどうしても歯を抜いたほうがよいと判断できるケースを除き、できるだけ「抜かない」矯正治療を選択しています。歯を「抜く」「抜かない」を判断する基準は、「抜歯基準」として提唱されています。
その基準の多くは、口腔模型とセファロレントゲン撮影によるデータを元にして算出した数値によるもの。主に一定値を超えた場合に「抜く」、それ以下の場合に「抜かない」と判断しています。
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歯を「抜く」「抜かない」は、「抜歯基準」として設定された数値によって判断するケースが大半です。しかし、必ずしも数字だけでの判断は行っていません。実際に「抜く」に値する数値が出ていたとしても、「抜かない」矯正治療を行えるケースもあるためです。
数値はあくまでも統計上のものであり、十人十色である人のお口の中の状態をそれだけで把握することはできません。そのため数値は参考程度に留め、細かくカウンセリング・診断を行ったうえで、抜く・抜かないを判断することが必要なのです。
非抜歯矯正ができないケース
当院ではできるかぎり非抜歯矯正を選択していますが、どうしても抜歯が必要になるケースがあります。その主な例には、以下のケースが挙げられます。
- 成人で、顎のズレが大きい場合
- 叢生(そうせい:でこぼこの歯並び)がひどい場合
- 非抜歯矯正をすることで、出っ歯になる見込みが高い場合(出っ歯の改善には限界があるため) など
こういったケースの場合には、信頼のおける提携の矯正専門医をご紹介しておりますのでご安心ください。